What if? で学ぶ、使えれば上級者「仮定法」
“What if she was yours?”
これは、Hawaii Five-0というアメリカドラマのSeason1, Episode1のセリフです。
この「What if」、文法で考えるとおかしな構造ですね。
なんでWhatという疑問詞の後が、do youとかdid youとかじゃなくて、ifなの?!と思った方、
理解して覚えてしまえば絶対役に立つWhat if?をネイティブ英語例でモノにしましょう。
Hawaii Five-0ドラマの背景
まず、このセリフの背景を説明しますね。
これはハワイ州知事直轄の特別捜査班のチームの活躍ドラマ。
父親を殺されたばかりのSteveと、まだ幼い娘を持つDannyがチームとして初めて一緒に動く第1回のエピソードで、SteveがDannyに言うセリフ。
重要な情報を持っているはずの武器商人の男が、SteveとDannyに追いつめられ、
若い娘を人質に取り、銃を向けたSteveに対して「銃を下ろさなければ、娘を殺す!」と強い口調で言います。
容疑者を生きたまま確保し娘も救うために、Steveが銃を下ろしかけた瞬間、容疑者の背後から突然、その日相棒になったばかりのDannyが男を撃ち…。
場面が落ち着いてからの会話。
一般市民の娘を守るため、銃を下ろそうとしていたSteveは、Dannyが容疑者を撃ったために唯一の手掛かりを失ってしまい、食い違う2人の言い分。
「あんたの(父親の)復讐に付き合うわけにはいかない。俺には娘がいるんだ。」と言うDannyにSteveは、
「あの子も誰かの娘だ」、
「もしあの子が、お前の娘だったら?」。
はい、このセリフが、What if she was yours? です。
つまりここでの「yours」は「your daughter」のことですね。
ここで、何故「What if」が「もし・・・だったら?」という意味になるのか腑に落ちない方、
まずは、学校でやった「仮定法」を思い出してみてください。
仮定法って、時制やら助動詞やらがややこしくて、はっきり分からない、
という方も、情景(シーン)まるごとで記憶すれば、理解できるようになりますよ。
「仮定法には数種類ある」と習いませんでしたか?
仮定法の種類
今日は基本の2種類を、分かりやすい例を見ながら取り入れていきましょう。
1.「今はそうなるかどうか分からないけど、そうなった場合を想像して言う」仮定法
→Ifのあとは現在形 +will
2.「そうなることは実際には不可能だけど、もしそうだったらという仮想世界を創り出す」仮定法
→Ifの後は過去形 +would
「仮定法」と呼ぶだけあって、あくまでも「仮定」の状況を想像して話しているのです。
仮想世界、と考えてもいいかもしれません。
<1の例>
If I don’t study tonight, I will fail the exam!
もし今夜勉強しなかったら、試験に落ちちゃうよ!
<2の例>
If I had those nice legs, I would wear a short skirt every day.
もし私があんなキレイな脚だったら、毎日ミニスカート履くわ。
ではここで、今日のセリフの「What if」に戻りましょう。
「What if」が出てきたら、「What will [would] happen if…? 」の略だと覚えてください。
今日のセリフ、What if she was yours?の場合、
「ifの後は過去形」→その若い娘は他人の子であって、Dannyの子になることはあり得ないから、仮想世界。つまり、
What would happen if she was your daughter?
(もしあの子が、お前の娘だったらどうなる?)
または、What would you do, if she was your daughter?(もしあの子が、お前の子だったらどうする?)
となるわけです。
What-If分析
Excelにも「What-If分析」ツールがありますね。
「これがもし、こんな(仮想)だったら、どんな分析結果になる?」かを調べるために使うツールです。
ではもう少しWhat ifの文例を出してみます。
・What if the train wasn’t late that day and I made it to the interview?
もしあの日電車が遅れてなくて、面接に間に合っていたら?
・What if I was born in another family?
もし私が、別の家に生まれていたら?
どちらの例も、「今は起こっていない、変えられない過去のことを、仮想世界で想像して話していますね。
最後に・・・英語は目で読んでいるだけでは身に付きません。
是非、ドラマなどを楽しみながら、シーンごと脳に焼き付け、そして自分の言葉でアウトプットしましょう!