“as long as”と”as far as”の違い
“as long as”と”as far as”、同じようで同じでない、違いが分かるようで分からない、
という方も多いのでは?
または、”as long as”しか使ったことない、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんな方にこそ、ネイティブの使う英語から学ぶ海外ドラマです!
今日は、アメリカの「超」が付く長寿ドラマ、「NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班」から、ネイティブ英語を学びましょう。
このドラマは、ワシントンDCを拠点としアメリカ海軍に関する事件を捜査するNCIS(Naval Criminal Investigative Service)のギブス率いる捜査チームが難事件を解決する、刑事ものに近いドラマ。
各キャラクターの魅力や人間ドラマも織り交ざっており、全体的に楽しめます。
今日ご紹介する英語表現は、Season4 episode 21から。
NCISの局長が確保したかった重要参考人が、現場の瞬間的な判断に基づく銃撃により命を落としてしまった後、現場からオフィスに帰ってきたギブスに、局長が言うセリフです。
“As far as I’m concerned, Andre Jones’s got exactly what he deserved.”
Andre Jonesとは、死んでしまった重要参考人です。
本当はその参考人を生きたまま捕らえて尋問したかった局長としては、
心の中では激しい葛藤があるのかもしれませんが、そこは人の上に立つ局長ですから、感情をぶつけるようなことはしませんし、
チームが撃っていなければ、彼らが逆に撃たれていた状況であることも分かっています。
ギブスの心中も察したうえでの「As far as …」のセリフなのでしょう。
このセリフの和訳は、「ジョーンズが死んだのは、当然の報いだわ」とされています(局長は女性) 。
As far asの部分は、特に訳されていないように見えるかもしれません。
ここで、as fas asの意味を考えてみましょう。
皆さんの多くは「…する限り(では)」と習ったのではないでしょうか。
つまり、この局長のセリフのas far as I’m concernedは、直訳すると「私に関する限りでは」という意味ですが、自然な日本語にすると「私に言わせれば」ということです。
重要参考人を死なせてしまったチームが、心苦しく感じているであろうことを気遣ってのセリフなのでしょうね。
ところで、as long asの意味も、「~~する限り」と覚えませんでしたか?
では、この局長のセリフをas long asに置き換えて言ってみましょう。
“As long as I’m concerned, Andre Jones’s got exactly what he deserved.”
・・・もしこれを言ったら、ネイティブは首をかしげるでしょう。
ほかの例を見てみましょう。
【例1】
As long as you don’t disturb me, you can stay here until I’m done.
私の邪魔をしない限り、(仕事が)終わるまでここに居ていいよ。
【例2】
As far as I’m concerned, he is the only one who was in the room.
私の知る限りでは、部屋にいたのは彼だけです。
同じas ~asでも、同じ「限り」でも、真ん中にlongが入るかfarが入るかで、
「限り」の意味合いが違うことに、気づいたのではないでしょうか。
そうです。
“as long as”と”as far as”は、どちらも「~~する限り」と訳せますが、
“as long as” は「条件」、“as far as” は「範囲」を表すのです。
例1は、「私の邪魔をしない」という条件を、
例2は「私の知る限り」という範囲を、表しているのです。
局長のセリフにもあった「as far as I’m concerned」は、「ジョーンズが死んだのは、当然の報いだわ」の「だわ」の部分に込められているのですね!
この表現は自分の意見を述べる時に、よく使うので、丸ごと覚えておくと便利ですよ。
longは「長い」だから、時間軸のイメージで、
farは「遠い」だから範囲のイメージで覚えてもいいかもしれません。